SNSでよく見る“外国人犯罪”の正体

最近、SNSを見ていると「外国人犯罪」という言葉がやたらと目に入る。クルド人や中国人の名前とともに、治安が悪化しているのでは、という声も少なくない。
私自身、そうした投稿を眺めるうちに「やっぱり外国人は怖いのかな」と思うようになっていた。よく見かける情報が真実のように見えてくるバイアスみたいなものだ。

でも、実際の数字に触れてみると少し違う。たとえば、来日外国人による刑法犯の検挙件数は2023年で約5,100件。全体の刑法犯(約57万件)から見ると、1%にも満たない。SNSの印象ほど大きな存在ではなかった。

もちろん、「検挙されていない犯罪もあるのでは」と思う気持ちも残る。逆に「差別を恐れて、必要な警戒までやめてしまう」のも危険だと感じている。結局は、データと自分の感覚を照らし合わせながら、どこまで信じるか、どう受け止めるかを選ぶしかない。

少し前に、男性とエレベーターに二人きりで同乗するのは避ける女性、の存在がSNSで話題になった。私も男性とはエレベーターで二人きりにならないようにしている。これは昔、エレベーターで男性と二人きりになったときに外階段まで引きずられていって痴漢されたからだ。それ以来、私の防犯対策として男性とはエレベーターで二人きりにならないことを実施している。外国人への警戒も、正直なところこれと同じだと思っている。

データを見て、外国人だから警戒する、という思い込みはよくないと感じた。外国人でも日本人でも暴力を振るう人はいるし犯罪を犯す人はいる。外国人というわかりやすい分類が目立っているというのも充分あるのだと思う。考えた結果、日本人、外国人に関わらず、防犯対策は続けるべきだし、自分の身は自分で守れるように行動する、という結論となった。

SNSで見た情報だけを鵜呑みにせず、疑いすぎず、安心しすぎず、自分の軸をどう持つか。読んでくれた人が少し立ち止まって、「じゃあ私はどう考えるだろう」と考えるきっかけになったらいいなと思う。

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